○曾爾村浄化槽取扱要綱
平成24年3月28日
要綱第9号
(趣旨)
第1条 この要綱は、浄化槽法(昭和58年法律第43号)および建築基準法(昭和25年法律第201号)その他関係法令に基づき、奈良県知事の権限に属する事務のうち、奈良県事務処理の特例に関する条例(平成12年奈良県条例第34条)により、村が処理することとされた浄化槽の設置等に関する事務について、必要な事項を定めるものとする。
(1) 浄化槽 浄化槽法第2条第1項に規定する浄化槽をいう。
(2) 維持管理 浄化槽の機能を常に維持するため、適正な使用、保守点検、清掃及び放流水の状況管理の業務をいう。
(3) 保守点検 浄化槽の単位装置及び附属機器類の作動状況、施設全体の運転状況を点検、調整又はこれらに伴う修理する業務をいう。
(4) 清掃 浄化槽内に生じた汚泥、スカム等の引出し、その引出し後の汚泥等の調整並びにこれらにともなう単位装置及び附属機器類の洗浄、清掃等を行う作業をいう。
(5) 浄化槽工事業者 浄化槽法第2条第7号に規定する浄化槽工事業者をいう。
(6) 浄化槽保守点検業者 奈良県浄化槽保守点検業者の登録に関する条例(昭和60年7月奈良県条例第4号)第2条第2項に規定する浄化槽保守点検業者をいう。
(7) 浄化槽清掃業者 浄化槽法第2条第9号に規定する浄化槽清掃業者をいう。
(8) 浄化槽法定検査 浄化槽法第7条及び第11条に規定する浄化槽の水質に関する検査をいう。
(設置基準)
第3条 次のいずれかに該当する場合の浄化槽は、原則として1カ所とする。
(1) 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第32条第1項の規定により、「衛生上特に支障があると認めて規則で指定する区域」として建築基準法施行細則(昭和25年12月奈良県規則第77号)第13条により指定された区域内において行う開発行為(都市計画法(昭和43年法律第100号)第4条第12号に規定する開発行為をいう。)に係る浄化槽で、処理対象人員(し尿浄化槽の処理対象人員算定基準(昭和44年建設省告示第3184号)より算定される人員をいう。)が100人を越えるもの。
(2) 同一敷地内において、建築するすべての建築物に係るもの。
2 前項の規定にかかわらず、管轄土木事務所長が地形等の理由により1カ所に設置できないと認めた場合は、全体の処理対象人員を基とした性能の基準を満たし、かつ、負荷の偏りを考慮した処理対象人員算定がなされている浄化槽を複数設置することができる。
3 設置する場所は、雨水等により冠水せず、保守点検、清掃及び法定検査が容易に行えるよう配慮すること。
4 浄化槽は原則として、水質汚濁防止法(昭和45年法律第138号)第2条第1項に規定する公共用水域及びこれと接続して生活雑排水を既に放流している排水路又は側溝等で水が常時存在し、又は滞留しない等衛生上支障のないものに、放流することができる場所に、悪臭、騒音及び振動等について付近の生活環境及び公衆衛生に支障のないよう設置されなければならない。
5 建築物の屋内に設置しないこと。ただし、居室以外の場所で衛生上支障なく、維持管理が容易、かつ、安全にできる場合はこの限りでない。
6 浄化槽を車路及び駐車場に設置する場合、構造計算により安全を確保した構造物内に設置すること。
7 浄化槽及びその周囲等には、危険防止措置を講じ、安全対策に配慮すること。
8 その他法令等に従うこと。
(性能等)
第4条 浄化槽の性能については環境省関係浄化槽法施行規則(昭和59年厚生省令第17号)第1条の2で示される放流水の水質の技術上の基準を満たすものとする。
2 浄化槽から排出される処理水を放流しないなど、特殊な方式を用いる場合は事前に管轄土木事務所長と協議すること。
3 既存単独処理浄化槽(浄化槽法第3条の2第1項ただし書に規定する設備又は施設に該当するものを除く。)を使用する者は、浄化槽法第2条第1号に規定する雑排水が公共用水域等に放流される前に処理されるようにするため、同項に規定する浄化槽の設置等に努めなければならない。
(指定検査機関との協議)
第5条 浄化槽を設置し、又は浄化槽の規模若しくは構造を変更しようとする者は、浄化槽法第7条に規定する水質に関する検査について、知事が浄化槽法第57条第1項の規定に基づき指定したもの(以下「指定検査機関」という。)と協議しなければならない。
(1) 放流経路図
(2) 排水系統図
(3) 配置図(大きさ、広さがわかる寸法を記入したもの)
(4) 平面図(大きさ、広さがわかる寸法を記入したもの)
(5) 浄化槽の設計計算書及び構造計算書(建築基準法第68条の10に基づく型式適合認定等を受けた浄化槽で、その認定書を添付したものを除く。)
(6) 浄化槽の構造図及び設備の概要図(建築基準法第68条の10に基づく型式適合認定等を受けた浄化槽で、その認定書を添付したものを除く。)
(7) 処理対象人員算定表(ただし、専用住宅の場合は除く。)
(8) 浄化槽設置に伴い、廃止する既設浄化槽があれば別紙届出をすること。
(9) その他、村長又は管轄土木事務所長が必要とする書類
(設置届出書及び変更届出書の提出部数及び提出先)
第8条 設置届出書及び変更届出書の提出部数及び提出先は、次の各号に掲げるとおりとする。
(2) 提出先 村長
(浄化槽設計書の提出部数及び提出先)
第10条 浄化槽設計書の提出部数及び提出先は、次の各号に掲げるとおりとする。
(2) 提出先 管轄土木事務所長又は指定確認検査機関
(工事完了報告)
第11条 浄化槽設置又は構造等変更工事を完了した浄化槽工事業者は、速やかに当該浄化槽工事を発注した者にその旨を連絡するとともに、工事完了報告書(別記様式第4号)を村長に提出しなければならない。
(使用開始報告書)
第12条 浄化槽管理者(当該浄化槽の所有者、占有者、その他の者で当該浄化槽の管理について権限を有するもの)は、当該浄化槽の使用開始の日から30日以内に、村長に使用開始報告書(別記様式第5号)を3部提出しなければならない。
2 使用開始報告書には、使用開始前に受けた保守点検結果を添付しなければならない。
3 使用開始前に実施する保守点検項目は、環境省関係浄化槽法施行規則第1条第1項の第1、3、4、6、7、8号、第2条第1項第1号ロ、ハ、ニ、ホ及びヘのうち単位装置及び附属機器類の機能の状況とする。
(浄化槽管理者変更報告)
第13条 新たに浄化槽管理者になった者は、浄化槽管理者になった日から30日以内に村長に、浄化槽管理者変更報告書(別記様式第6号)を3部提出しなければならない。
(技術管理者変更報告)
第14条 処理対象人員が501人以上の浄化槽の浄化槽管理者は、技術管理者を変更したときは、変更の日から30日以内に、村長に、技術管理者変更報告書(別記様式第7号)を提出しなければならない。
(浄化槽設置届出書取下・取止願)
第15条 提出した浄化槽設置届出書を取り下げる場合または工事を取り止める場合、村長に浄化槽設置届出書取下・取止願(別記様式第8号)を3部提出しなければならない。
(浄化槽使用休止・再開届)
第16条 浄化槽管理者は、当該浄化槽の使用の休止を届け出る場合は、浄化槽使用休止届出書(別記様式第9号)に環境省関係浄化槽法施行規則第3条に規定される「清掃の技術上の基準」に従い当該浄化槽の清掃をした記録を添えて、村長に3部提出しなければならない。
(浄化槽使用廃止届)
第17条 浄化槽管理者は、当該浄化槽の使用を廃止したときは、廃止した日から30日以内に、村長に、浄化槽使用廃止届出書(別記様式第10号)を3部提出しなければならない。
(一般構造及び材料建築基準法)
第18条 浄化槽の構造については、建築基準法第31条第2項及び施行令第35条第1項の規定に基づく昭和55年7月14日建設省告示第1292号(最終改正・平成18年1月17日国土交通省告示第154号)のほか次のとおりとする。
2 単独処理浄化槽の本体の構造は次のとおりとする。
(1) 槽の天井、底、周壁及び隔壁は、耐蝕、耐水材料を使用し、水圧、土圧、振動及び衝撃に対して耐える構造とする。
(2) 槽が鉄筋コンクリート造りの場合は、内部を厚さ2cm以上の防水モルタル仕上げ、又はこれに準ずる材料を使用し、漏水しない構造とすること。
(3) 槽内に使用する金属材料は、純アルミニウム、ステンレススチール等の対蝕材料、又は防蝕加工した金属材料とする。
(4) 腐蝕及び変形等の予想される部分は、腐蝕及び変形等のし難い材料、又は有効な防腐、補強等の措置をした材料を使用すること。
(5) 槽の天井には、マンホール(径45cm(処理対象人員が51人以上の場合は、60cm)以上の円が内接するものに限る。)を設置し、密閉できる耐水材料、又は鋳鉄製のふたを設置すること。鋳鉄以外のふたには、回転ロック式、又は施錠装置付き等の安全装置をすること。
(6) 通気及び排気の開口部は、雨水、土砂等の流入を防止する構造とし、昆虫類の発生防止のため防虫網を設置すること。
(7) 悪臭を発生する部分は、密閉又は臭突等の防臭装置を設置すること。
(8) 地上上屋式、全地下二重スラブ式の構造の場合は、維持管理作業が容易なように床より高さ1.8m以上の空間を保有すること。自然換気が十分できない場合は、機械換気とし、室内の空気を1時間におおむね10回以上直接外気と交換する能力を有する換気装置を設置すること。
(9) 流入量、負荷量および汚水の温度等の著しい変動に対して、機能できる構造とすること。
(10) ユニット式浄化槽は、槽を水平に設置していることを確認するため、槽内に水平目安標準線を3カ所以上設けること。
(11) 槽には設置後容易に確認できる位置に製造又は施工業者名、形式、人槽、容量等を明示した耐蝕性の表示板を取り付けること。
(12) 汚水の温度低下により、処理機能に支障が生じない構造とすること。
3 単独処理浄化槽の使用機器類については、次のとおりとする。
(1) 機器類は、耐用年数の長いものを使用し、その機器に日本工業規格(以下「JIS」という。)のあるものにあっては、JIS表示品であること。
(2) 機器及び取り付け指示具は耐食性材料を使用したものであること。
(3) 据付基礎は、コンクリート造り又はこれに準ずる堅固なものにすること。
(4) 機器類の振動及び騒音の周囲への影響を防止するため、振動については防振ゴム、防振スプリング等を設置し、騒音については、機器本体の発生音を少なくし、ケーシング等遮音対策等をすること。
(5) 電動機直結型の機器は、連接機構が完全であること。
(6) 回転部分の注油、点検が容易であること。
(7) 槽内に格納する電動機は、完全密閉型とすること。
(8) 槽外に設置する機器は、防水装置を施したカバーに格納又は防水措置をしたものを使用すること。
(9) 送風機、ポンプ及びこれらに付設する電動機等は、予備を設けること。ただし、処理機能に影響を及ぼさないもの及び処理対象人員が300人以下の浄化槽は除くものとする。
(10) 口径50mm以上のポンプは、ガイド式着脱型とする。
4 単独処理浄化槽の電気設備については、電気事業法(昭和39年法律第170号)電気設備に関する技術基準を定める省令(平成9年通商産業省令法律第52号)の規定により施工するものとする。
5 単独処理浄化槽の配管及び汚水枡については、次のとおりとする。
(1) 浄化槽の流入管には、水洗便所の汚水以外の排水を導入しないこと。
(2) 浄化槽に接続する流入管及び放流管は、硬質塩化ビニール管(JISK674)、鉄筋コンクリート管(JISA5302)等の不透水性の円形管、卵形管を使用しなければならない。
(3) 流入管の勾配は、原則として1/150以上1/100以下とし、管内に汚物が堆積しないように措置すること。また、排水口から逆流しないよう措置すること。
(4) 放流管の口径は流入管と同径以上とし、原則として勾配は1/200以上とすること。また、排水口から逆流しないよう措置すること。
(5) 管の付設は、位置、勾配等に留意し、接続部から漏水しないようにすること。
(6) 汚水枡の形状は、円形又は方形構造で、その材質は、レンガ、コンクリート又は鉄筋コンクリート等とし、内部は防水モルタル又はこれに準ずる防水措置すること。
(7) 汚水升のふたは、コンクリート造り又は鋳鉄製等の密閉ぶたとすること。
6 単独処理浄化槽を設置した水洗便所の使用水は大便器は13~17l/回、小便器は4~6l/回以上に調節するものとする。ただし、節水型器具使用の場合はこの限りでない。
7 合併処理浄化槽の本体、使用機器類及び電気設備は、第2項、第3項及び第4項の規定を準用するものとし、第3項第9号のただし書中「300」とあるのは、「50」に読み替えるものとする。
8 合併処理浄化槽の配管及び汚水升については、次のとおりとする。
(2) 浄化槽へ流入する汚水は、水洗便所汚水と家庭雑排水とし、汚水管及び排水管は原則として、暗きょとすること。
(3) 流入管の勾配は、原則として1/300以上1/100以下(流速0.6~2.5m/秒)とすること。
(4) 汚水升は内径30cm以上とし、原則として管きょの合流点及び管きょの内径又は管種が異なる箇所、及び直線部は120倍以下の間隔設置とすること。
(5) 都市計画法第29条第1項の規定による開発許可に係るものは、同法に定める基準によること。
(浄化槽工事の技術上の基準)
第19条 浄化槽工事は浄化槽法第4条第3項の規定のほか、次の各号の基準を遵守して施工すること。
(1) 浄化槽を建築物の内部又は直下に設置する場合は、保守点検及び清掃上支障のない構造であること。
(2) 浄化槽の清掃等に使用できる給水栓を設けること。
(3) 浄化槽の使用に伴う振動等による騒音を防止するため、必要に応じて適切な措置を講じること。
(4) 浄化槽の使用に伴う悪臭を防止するため、必要に応じて適切な措置を講じること。
(関係機関の所掌事務)
第20条 村長は、次に掲げる事務を所掌する。
(1) 浄化槽法第5条第1項の規定に基づく浄化槽設置届出書又は浄化槽変更届出書を受理し、当該届出書を、管轄土木事務所長へ送付すること。
(2) 届出に係る浄化槽の設置又は変更の計画について、その保守点検及び清掃その他生活環境の保全及び公衆衛生上の観点から必要な審査、勧告をすること。
(3) 管轄土木事務所長から返戻された届出書、適合通知及び連絡表を受領し、届出者に交付すること。
(4) 浄化槽工事完了報告書を受理すること。
(5) 浄化槽使用開始報告書を受理すること。
(6) 指定検査機関が実施した浄化槽法第7条に規定する水質に関する検査報告を受理し、必要に応じて、管轄土木事務所長へ通知するとともに浄化槽管理者に指導等行うこと。
(7) 指定検査機関が実施した浄化槽法第11条に規定する水質に関する検査報告を受理し、必要に応じて浄化槽管理者に指導等行うこと。
(8) 浄化槽管理者変更報告書を受理すること。
(9) 技術管理者変更報告書を受理すること。
(10) 浄化槽使用休止届出書を受理すること。
(11) 浄化槽使用再開届出書を受理すること。
(12) 浄化槽使用廃止届出書を受理すること。
(13) 浄化槽法第49条第1項の規定による浄化槽台帳を作成すること。
(14) 浄化槽の設置、休止及び廃止の状況等に係る浄化槽届出受付状況月報を作成し、及び年報にまとめ、毎年4月末日までに水循環・森林・景観環境部長に報告すること。
(15) 浄化槽法第12条第1項の規定により助言、指導又は勧告をすること。
(16) 浄化槽法第12条第2項の規定により改善措置又は使用の停止を命じること。
(17) 浄化槽法第53条第1項の規定により報告させること。
(18) 浄化槽法第53条第2項の規定により、立ち入り、検査し、質問すること。
(19) 浄化槽法附則第11条第1項の規定により、助言又は指導をすること。
(20) 浄化槽法附則第11条第2項の規定により勧告をすること。
(21) 浄化槽法附則第11条第3項の規定により命令をすること。
第21条 管轄土木事務所長は次に掲げる事務を所掌する。
(1) 浄化槽法第5条第1項に基づく浄化槽設置届出又は浄化槽変更届出書に係る浄化槽の設置又は変更の計画について、浄化槽の構造に関する建築基準法並びにこれに基づく命令及び条例の規定に適合しているか審査すること。
(2) 前号の審査の結果、補正又は計画の変更又は廃止が必要な場合においては当該届出者に対して通知又は命令すること。
(3) 審査の完了した届出書に適合通知及び連絡表を添付して村長に返戻すること。
(4) 建築基準法第6条第1項(同法第87条第1項において準用する場合を含む。)の規定及び同法第18条第2項(同法第87条第1項において準用する場合を含む。)の規定による建築主事の所轄に係る浄化槽の構造審査及び検査に関すること。
(5) 前条の(6)の通知を受けたときは、必要に応じて浄化槽工事業者等を指導すること。
第22条 指定確認検査機関は次に掲げる事務を所掌する。
建築基準法第6条の2第1項(同法第87条の2において準用する場合を含む。)の規定による指定確認検査機関の所掌に係る浄化槽の構造審査及び検査に関すること。
附則
(施行期日)
1 この要綱は、平成24年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この要綱の施工の際、現に浄化槽法第5条第1項に基づく手続きをしている者については、従前の奈良県浄化槽取扱要綱に基づくものとする。
附則(令和2年要綱第14号)
この要綱は、令和2年4月1日から施行する。