○曾爾村文化財保護条例

令和3年9月17日

条例第11号

(目的)

第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第182条第2項の規定に基づき、法及び奈良県文化財保護条例(昭和52年奈良県条例第26号。以下「県条例」という。)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で、村の区域内に存するもののうち村にとって重要なものについて、その保存及び活用のために必要な措置を講じ、もって村民の文化的向上に資することを目的とする。

(文化財の定義)

第2条 この条例で、「文化財」とは、次に掲げるものをいう。

(1) 有形文化財

建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で、歴史上又は芸術上価値の高いもの並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料

(2) 無形文化財

演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で歴史上又は芸術上価値の高いもの

(3) 民俗文化財

 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗習慣、民俗芸能、民俗技術で村民の生活の推移の理解のため欠くことのできないもの(以下「無形民俗文化財」という。)

 無形民俗文化財に用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で村民の生活の推移の理解のため欠くことのできないもの(以下「有形民俗文化財」という。)

(4) 記念物

 貝塚、古墳、都城跡、城跡、旧宅その他の遺跡で歴史上又は学術上価値の高いもの。

 園庭、橋梁、峡谷、山岳その他の名勝地で芸術上又は観賞上価値の高いもの。

 動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然現象の生じている土地を含む。)で学術上価値の高いもの。

(5) 文化的景観

地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景勝地で村民の生活又は生業の理解のため欠くことのできないもの

(財産権等の尊重及び他の公益との調整)

第3条 曾爾村教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の執行に当たっては関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。

(指定)

第4条 教育委員会は、村内に存する文化財のうち、曾爾村にとって重要なものを、次に掲げる曾爾村指定文化財(以下「指定文化財」という。)に指定することができる。

(1) 曾爾村指定有形文化財

(2) 曾爾村指定無形文化財

(3) 曾爾村指定有形民俗文化財

(4) 曾爾村指定無形民俗文化財

(5) 曾爾村指定史跡

(6) 曾爾村指定名勝

(7) 曾爾村指定天然記念物

(8) 曾爾村指定文化的景観

2 前項の指定をしようとするときは、あらかじめ、文化財の所有権(所有者が判明しないときは権原に基づく占有者)、保持者又は管理者(以下「所有者等」という。)の同意を得なければならない。

3 第1項の規定による指定をしようとするときは、教育委員会は、あらかじめ曾爾村文化財保護審議会に諮問しなければならない。

(指定の解除)

第5条 教育委員会は、指定文化財がその価値を失った場合その他特別の理由があるときは、指定を解除することができる。

2 前項の規定により指定を解除しようとするときは、前条第3項の規定を準用する。

(告示及び通知)

第6条 教育委員会は、第4条の規定による指定又は前条の規定による指定の解除をしたときは、その旨を告示し、かつ、指定文化財の所有者等に通知しなければならない。

(村民及び所有者等の心構え)

第7条 村民は、文化財の愛護に努めるとともに、教育委員会がこの条例の規定に基づいて行う措置に誠実に協力しなければならない。

2 文化財の所有者等は、文化財が貴重な財産であることを自覚し、これを公共のために大切に保存するとともに、できるだけ文化的活用に努めなければならない。

3 道路その他の土木工事又は住宅造成等の開発行為を行う者は、その事業活動の実施に当たっては、文化財が保護されるよう配慮し、保存に協力しなければならない。

(管理及び保存義務)

第8条 指定文化財の所有者等は教育委員会の指示又は助言に従い、指定文化財を管理及び保存しなければならない。

(所有者等の届出義務)

第9条 次の各号の一に該当するときは、指定文化財の所有者等は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

(1) 指定文化財の全部若しくは一部が滅失し、若しくは毀損、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたとき。

(2) 指定文化財の所有権又は管理権を他に譲渡したとき。

(3) 指定文化財の所在の場所を変更したとき。

(4) 他の指定を受けたとき。

(現状変更等の制限)

第10条 指定文化財の所有者等が、当該指定文化材の現状を変更しようとするとき、又はその保護に影響を及ぼす行為をしようとするときは、あらかじめ教育委員会の許可を受けなければならない。

2 教育委員会は、前項の許可を与える場合において、必要があると認めるときは、条件を付することができる。

(管理又は修理の補助)

第11条 指定文化財の管理又は修理に要する経費は、所有者等の負担とする。ただし、その経費が多額であるためその負担にたえない場合には、村は予算の範囲内において、その経費の一部を補助するものとする。

2 教育委員会は、前項の補助金を交付する場合において、必要と認めるとき、条件を付することができる。

3 第1項の規定により補助金の交付を受けた所有者等が、次の各号の一に該当したときは、村は当該補助金の全部又は一部の返金を命ずるものとする。

(1) 管理又は修理に関し、この条例又は規則に違反したとき。

(2) 補助金交付の目的以外の目的に補助金を使用したとき。

(3) 前項の規定により付された条件に従わなかったとき。

(公開等)

第12条 教育委員会は、指定文化財の所有者等に対し、一定の期間を限って、教育委員会が行う公開に供するため、指定文化財の公開又は出品を求めることができる。

(報告及び調査)

第13条 教育委員会は、必要があると認めるときは、所有者等に対し、指定文化財の現状及び管理の状況について報告を求め、又は所有者等の同意を得て、指定文化財の所在する場所に立入り調査を行うことができる。

(標識等の設置)

第14条 指定文化財には、教育委員会規則の定める基準により、指定文化財の管理に必要な標識、説明板、境界標、囲さくその他必要な施設を設置するものとする。

(審議会の設置及び任務)

第15条 教育委員会に曾爾村文化財保護審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、教育委員会の諮問に応じ審議、答申を行うとともに、文化財に関して意見を具申することができる。

(組織)

第16条 審議会は、5人以内の委員をもって組織する。

2 委員は、文化財に関し高い識見を有する者のうちから教育委員会が委嘱する。

(任期)

第17条 委員の任期は、3年とする。ただし、補欠の委員の任期は、その前任者の残任期間とする。

2 委員は、再任を妨げない。

(会長等)

第18条 審議会に会長及び副会長を置く。

2 会長及び副会長は、委員の互選により定める。

3 会長は、審議会の会務を総理する。

4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代理する。

(会議)

第19条 審議会の会議は、会長が招集する。

2 会議は、委員の半数以上出席しなければこれを開くことはできない。

3 会議の議事は、出席委員の過半数をもってこれを決する。

(委任)

第20条 この条例に関して必要な事項は、教育委員会規則で定める。

この条例は、公布の日から施行する。

曾爾村文化財保護条例

令和3年9月17日 条例第11号

(令和3年9月17日施行)