○曾爾村美しい森林づくり基盤整備事業取扱要領

令和5年7月24日

要領第2号

この要領は、曾爾村美しい森林づくり基盤整備事業補助金交付要綱(平成25年11月村要綱第26号。以下「要綱」という。)に定めるもののほか、必要な事項を定めるものとする。

(補助事業の内容等)

第1条 要綱第3条に規定する補助事業の内容等については、次のとおりとする。

(1) 人工造林

 人工造林における地拵えを実施した施行地においては、当該地拵えを実施した年度又はその翌年度内に植栽を実施するものとする。

 ha当たりの植栽本数は、曾爾村森林整備計画によるものとする。

(2) 下刈りは、原則として、植栽により更新した1齢級の林分において行う雑草木の除去とする。

(3) 間伐

 3齢級以上の林分において行うものとする。

 育成しようとする樹木の立木本数の20パーセント以上を伐採するものとし、伐採率の上限は曾爾村森林整備計画に定められた間伐の標準的な方法によるものとする。

 当該施業の実施の前年度の末日から遡って5年以内に同一施行地において国庫補助事業による保育間伐、間伐又は更新伐を実施していない場合に補助対象とする。

(4) 枝打ちは、前号の間伐と一体的に行う枝打ちとし、地上1メートルから6.5メートルの範囲で行う1回の打ち上げ高が1メートル以上のものであること。

(5) 鳥獣害防止施設等整備は、人工造林又は間伐と一体的に実施するものとし、その内容は次のとおりとする。

 獣害防護柵は、野生鳥獣による植栽木の食害を防止する目的で設置する簡易な工作物とする。

 食害防止チューブ・ネットは、野生鳥獣による植栽木の食害を防止する目的で設置するものとする。

 剥皮害防止テープは、野生鳥獣による育成木の剥皮害を防止する目的で設置するものとする。

(6) 森林作業道整備

 森林作業道整備は、奈良県森林作業道作設指針(平成23年4月1日森第137号。以下「作設指針」という。)に適合する作業道(以下「森林作業道」という。)の開設、改良及び復旧であって、次の全てに該当するものとする。

(ア) 特定間伐等促進計画に基づいて行う森林整備と一体的に実施され、同時期又は一定期間施業に先行して実施されるもの。ただし、改良及び復旧についてはこの限りではない。

(イ) 事業実施後に当該森林作業道を管理する者が書面において明らかなもの。

 森林作業道整備の先行実施

(ア) (ア)の一定期間とは、森林作業道の整備が完了した日から2年以内とし、この期間内に施業を行うことを原則とする。なお、この期間内に施業が行われなかった場合は、その事由を明らかにするものとする。

(イ) 先行実施された森林作業道整備への補助金交付に当たっては、整備後に実施する施業について確認するものとする。

 森林作業道の開設

(ア) 幅員は原則として2.5メートル以上とするが、クローラータイプの林内作業車等を使用して運材する場合は、幅員が2.0メートルの森林作業道も設置することができるものとする。

(イ) 路面に集まる雨水を適正に処理して継続的に使用可能な作業道とするため、必要に応じて横断排水施設を設置するものとする。

 森林作業道の改良については、次に掲げる全ての要件に該当するものであること。

(ア) 原則として、本事業において開設した森林作業道であって、開設の翌年度の初日から起算して3年以上を経過したものの改良であること。

(イ) 当該森林作業道の開設と一体的に実施することとされている施業の終了後であること。

(ウ) 1箇所の事業費(路線の効用の発揮上、一体的に施行することが必要な同一路線内の改良に係る事業費をいう。)が20万円以上であること。

(エ) 改良の内容については、作設指針第2に定める切土、盛土、簡易構造物等及び排水施設の設置等とし、維持管理に係るものでないこと。

 森林作業道の復旧については、暴風、こう水、地震その他異常な天然現象により被害を受け、通行不能となった場合において、次に掲げる全ての要件に該当するものであること。

(ア) 1箇所の事業費(路線の効用の発揮上、一体的に施行することが必要な同一路線内の復旧に係る事業費をいう。)が20万円以上であること。

(イ) 復旧の内容については、切土、盛土、簡易構造物等及び排水施設の設置等とし、維持管理に係るものでないこと。

 効率的な森林作業道の開設については、施業対象区域の拡大を伴わないなど森林施業の効率性の向上に貢献しない森林作業道の開設は実施できないものとする。

(7) 事業主体

 本事業の事業主体になり得る森林所有者は、分収林特別措置法(昭和33年法律第57号)第2条に規定する分収林契約を締結した者にあっては、造林者若しくは育林者又は造林費負担者若しくは育林費負担者とする。

 鳥獣害防止施設等整備及び森林作業道整備の事業主体は、当該事業と一体的に行うべき事業の事業主体と異なっても差し支えないものとする。

(8) 事業規模等

 1施行地の面積は、0.1ヘクタール以上とする。

 1施行地とは、原則として地続きである一体的な区域(林道、小谷、防火帯等によって施行地が分断されている場合は地続きとみなす。)とする。

 当該施行地に含まれる岩石地、沢敷、道路等植栽不可能又は未植栽地等の施行対象外地(間伐の施行地に、奈良県森林作業道作設指針に適合する既設の森林作業道がある場合の作業道敷を含む。)の面積が、1箇所当たり0.01ヘクタール以上ある場合は除地として除くものとする。

ただし、必要最小限の伐開幅による森林作業道整備を間伐と一体的に行った場合の作業道敷については、除地として扱わないものとする。

(事業計画等)

第2条 村長は、森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法(平成20年法律第32号)第5条に基づき特定間伐等促進計画を作成するに当たり、補助事業を実施しようとする者から次のとおり提出を求めるものとする。

(1) 補助事業を実施しようとする者は、事業を実施しようとする前に村長に事業計画書を提出しなければならない。

(2) 事業計画の変更を要する場合は次のとおりとし、村長に変更計画書を提出するものとする。

 事業予定箇所の変更

 事業予定面積及び延長の3割を超える増減

 その他著しい内容の変更

(補助金額の算出)

第3条 補助金額の算出は、要綱第4条の規定によるもののほか以下によるものとする。

(1) 県及び曾爾村が実施する事業に係る補助金額の算出は、次のとおりとする。

 県及び曾爾村が実施する事業に係る補助金額は、実行経費に補助率を乗じて求めるものとする。

 実行経費は次に掲げる経費とする。ただし、請負に付して実施する場合にあっては、森林整備保全事業設計積算要領に準ずることができるものとする。

 事業主体が自ら実施する場合

画像

 事業主体が請負に付して実施する場合

画像

(注) 県及び曾爾村が請負に付して実施する場合にあっては、一般管理費及び消費税を含むことができるものとする。

(2) 森林作業道整備に係る補助金額の算出(県及び曾爾村が事業主体であるものを除く)については、次のとおりとする。

 森林作業道整備を請負に付して実施する場合に係る補助金額は、標準経費と実行経費とのいずれか低い額に補助率を乗じて求めるものとする。

 標準単価が適用できない部分がある場合の補助金額は、当該標準単価が適用できない部分に係る森林整備保全事業設計積算要領(平成12年3月31日付け12林野計第138号林野庁長官通知)及び森林整備保全事業標準歩掛(平成11年4月1日付け11林野計第133号林野庁長官通知)に基づき算出される経費と標準単価が適用できる部分に係る標準経費を加算した額(事業主体が当該森林作業道整備を請負に付して実施する場合にあっては、実行経費と比較していずれか低い額)に補助率を乗じて求めるものとする。

(3) 現場監督費は、委託、請負等の実施形態に関わらず、書面で雇用契約書を交わした現場労働者より実施されたものは、標準単価に21パーセントを乗じて得た額を標準経費に加算できるものとする。

なお、雇用契約の無い現場労働者により実施されたものが含まれる場合は現場督費を加算しないものとするが、雇用契約の無い現場労働者が事業主体の代表者のみである場合はこの限りでない。

(4) 社会保険料等は、施行地ごとに事業に従事した各現場労働者について、表1に示す社会保険等の加入状況に応じた点数を合計し、当該現場労働者数で除して算出される平均点数に応じて、標準単価に表2に示す率を乗じて得た額を標準経費に加算できるものとする。

ただし、当該現場作業員に係る社会保険料等の事業主負担分を事業主体又は事主体が請負に付した場合は請負事業体が支払っているものに限る。

(表1)

社会保険等

加入している場合の点数

労災保険

6点

雇用保険

1点

健康保険

5点

厚生年金保険

10点

退職金共済制度(中退共以外)

2点

退職金共済制度(中退共)

3点

(表2)

平均点数

加算率

1点以上7点未満

3%

7点以上13点未満

10%

13点以上23点未満

13%

23点以上

18%

(5) 間伐の標準単価適用は、次のとおりとする。

 間伐は、施行地の伐採木の搬出材積の合計を当該施行地面積で除して得た値に応じた標準単価を適用するものとする。

 伐採木を吊り上げて搬出するもの(主索及び複数の作業索を用いて行う搬出等)の場合は、架線系の標準単価を適用し、これ以外によるのもの(林内作業車及びウインチ付きグラッル等による搬出)の場合は、車両系の標準単価を適用するものとする。

なお、同一施行地において車両系の搬出及び架線系の搬出が混在する場合は、車両系の標準単価を適用するものとする。

 ヘクタール当たりの搬出材積が10立方メートル未満の施行地において、伐倒木の流出を防止する目的で伐倒木の整理を行った場合は、伐倒木の整理に係る工程が含まれる標準単価を適用するものとする。

なお、伐倒木の整理については、次の(ア)から(ウ)の要件を全て満たすものとする。

(ア) 伐倒木の整理を行う範囲は、常水のある谷、渓流、河川等に接する部分から水平距離で概ね10メートルの区域とする。

(イ) (ア)の範囲に含まれる全ての伐倒木について、枝払、玉切、片付を行うものとする。

(ウ) 片付は、(ア)以外の区域に伐倒木を移動させるものとし、確実な流出防止対策を施すものとする。

(森林作業道の維持管理)

第4条 森林作業道整備を実施した事業主体は、森林作業道台帳(様式第1号)を作成するともに、村長からの求めに応じ、これをいつでも提示できるよう管理を行うものとする。また、当該施設が台風や積雪等により被害を受けたことが想定される場合は、事業主体は速やかに現地を確認し、必要な補修等を行うこと。

(特記事項)

第5条 補助金の交付関係事務に関する特記事項は、次のとおりとする。

(1) 補助事業の補助金の交付申請は、事業の完了後おおむね1年以内に行わなければならないものとする。

(2) 要綱第5条の(3)に規定するその他村長が必要と認める書類は、次のとおりとする。

 内訳書兼検査調書(様式第2号)

 位置図(縮尺5万分の1の地形図又は曾爾村管内図に施行地の位置とその番号を記したもの)

 測量図面又はこれに代わる精度が高い図面(なお、間伐に係る交付申請において、施行地内に森林作業道が含まれる場合は、線形及び延長、幅員を記載したもの。)

 間伐に係る搬出材積を証明する木材市場等の伝票の写し

ただし、搬出した材を自家消費等する場合は、集積場所でのはい積み写真(末口径、材長及び本数が確認できるもの)で搬出材積を証明する伝票に代えることができる。

 現場監督費を標準経費に加算する場合の現場労働者に係る雇用契約書の写し

 社会保険料等を標準経費に加算する場合、次に示す現場労働者に係る社会保険等の加入状況を示す根拠資料の写し

(ア) 労災保険は、概算保険料申告書又は一括有期事業報告書

(イ) 雇用保険は、雇用保険被保険者通知書

(ウ) 健康保険及び厚生年金保険は、健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書

(エ) 退職金共済制度は、退職金共済手帳等

 森林作業道整備に係る平面図(測点杭が明記されているもの。簡易構造物等の設置を行った場合は、その箇所及び数量等を明示するものとする。)、横断図(おおむね100メートルごとに1箇所)、縮尺5千分の1の地形図(開設又は改良を行った作業道の線形及び一体的に実施する施業の箇所等を記載したもの)

 森林作業道整備を請負に付して実施した場合の請負契約書の写し

 4回目以降に申請する下刈りに係る、下刈りの必要性が確認できる資料

 事業実施前、事業実施中及び事業完了後の現地写真(原則としてGNSSデータが記録されたものとする。)

 森林作業道の復旧の必要性が確認できる資料

 その他村長が必要と認める書類等

(3) 作業安全規範については、事業主体は「農林水産業・食品産業の作業安全のための規範(個別規範:林業)事業者向け(令和3年2月26日付け2林政経第458号林野庁長官通知。以下「作業安全規範」という。)」を踏まえて作業安全に関する取組を行うものとし、「農林水産業・食品産業の作業安全のための規範(個別規範:林業)事業者向けチェックシート」を記入の上、補助金の申請に当たり村長へ提出するものとする。事業主体が請負により事業を実施する場合、事業主体は請負者が作業安全規範を踏まえて作業安全に関する取組を行うよう指導するものとし、チェックシートは請負者が記入するものとする。ただし、過去1年間に他の事業においてチェックシートを提出している場合は、その写しの提出をもって、これに代えることができる。また、過去1年間に本事業においてチェックシートを提出している場合は、チェックシートの提出を省略できるものとする。

(4) 第2号の測量図面の作成は、次によるものとする。

 測量は、ポケットコンパス等又はGNSS測位機器によるものとする。

 ポケットコンパス等による測量誤差の限度は、方位角及び高低角各2度、距離5/100とし、これを超える場合は再測量を行う。

 GNSS測位機器による測位誤差は各測点3m以内とし、これを超える場合は再測量を行う。

(5) 搬出材積は、次のとおりとする。

 搬出材積を証明するはい積み写真については全量について撮影するものとし、写真により確認できないものは、搬出材積としては扱わないものとする。

 搬出材積を証明する伝票に重量のみが記載されている場合は、1トン当たり1立方メートルとして材積に換算するものとする。

(6) 書類の保存について、交付申請者は第2号に掲げるもののほか、次の書類を整備するものとする。

なお、これらの書類は、補助金交付申請書への添付は要しないが、交付申請者はこれらの書類を竣工検査時に検査員へ提示し、事業の終了の翌年度の初日から起算して5年間保存するものとする。

 測量野帳

 受委託契約書又は請負契約書

(7) 事業主体からの委任を受けて補助事業に係る補助金の交付申請又は受領を行う者(以下「代理申請者」という。)が行う代理申請の取扱いは次のとおりとする。

 代理申請者は、事業主体の委任を受けて補助金の一括代理受領を行うことができるものとする。この場合において、代理申請者は補助金交付申請書の提出に当たっては、事業主体の委任状及び精算依頼書(様式第3号)の写しを添付するものとする。

委任状及び精算依頼書については、原則として森林所有者等の自筆署名によるものとする。

 代理申請者は、補助金を受領した場合には、速やかにこれを事業主体に交付するものとし、支払いの遅延(補助金が30日以上滞留されるもの)及び他への流用等がないようにするものとする。

 受領した補助金は、全額事業主体に支払うものとする。ただし、直接その事業に関係する次に掲げる経費については、事業主体の書面による承諾に基づき相殺することができるものとする。

(ア) 補助金事務取扱手数料

(イ) 当該事業に使用した苗木等の事業資材の立替え代金又は売払代金

(ウ) 当該施行地の森林保険料

 代理申請者が事業主体から受ける補助金事務取扱手数料(により事業主体に支払うべき補助金と相殺するものを含む。)は、原則として、以下に示す補助金交付申請書(添付書類を含む。)の作成及び提出並びに補助金の受領その他の補助金の交付関係事務の処理に必要な実費の範囲内とするものとし、あらかじめ事業主体に対し書面その他の方法により内容、金額等について周知する等、その透明化を図るものとする。

(ア) 事業予定調書の作成

(イ) 位置及び面積の把握(測量を含む。)

(ウ) 補助金交付申請書の作成(施業図及び位置図の作成を含む。)

(エ) 土地台帳及び付図との照合

(オ) 委任状及び精算依頼書の作成

(カ) 補助金交付申請書の提出

(キ) 補助金配布明細書の作成

(ク) 補助金配布通知書の作成(発送行為を含む。)

(ケ) 補助金の受領及び配布行為

(コ) 領収書の受領及び整理

(サ) 竣工検査の立会い

(シ) 関係用紙の印刷及び配布

(ス) 事業計画の作成及び提出

(セ) その他村長が適当と認める業務

 代理申請者が補助金を代理受領したときは、受領後30日以内に委任者に対する交付状況を様式第4号により村長に報告するものとする。

(その他)

第6条 その他

(1) 要綱及び運用により難い事項については、事前に村長と協議するものとする。

(2) 村長は事業の円滑な実施を図るため、関係行政官及び関係団体との綿密な連携の下に、必要な助言、指導等をしなければならない。

(3) 間伐等については、「奈良県伐採・更新施業のガイドライン」に則った適切な施業を実施すること。

この要領は、公布の日から施行し、令和5年度分の補助金から適用する。

画像

画像

画像

画像

画像

画像画像

画像

画像

画像

曾爾村美しい森林づくり基盤整備事業取扱要領

令和5年7月24日 要領第2号

(令和5年7月24日施行)